6月は、梅雨に入り雨が多くなるかと思っていましたが、結果的にあまり雨は降りませんでした。
暑い日が多くなり、日射しが強くなってきました。
参考:雨が多い時の管理
今年は、雨がそこまで降らなかったので、梅雨対策は特にせずに終わりました。私は今も水をあげすぎてしまうので、梅雨の時期は雨で水やりの手間が減って、ラッキーと思ってしまうタイプです。
雨が多い年は、雨ざらしにしておくと苗が水をいっぱい吸って、葉がびちびちに太くなります。ラウイやコロンとした葉の苗は、水を吸いすぎると葉が裂けてきます。エケベリアの葉をあまり広げたくない方は、雨ざらしはお勧めできません。
雨が多い時期に気にしていた点は以下です。今年は全く気にしませんでしたが。
- カビや菌の付着や空気の滞留に気を付ける。
私生活でのカビ対策と同じ要領で気を付ければいいと思っています。
余分な養分をなくし、空気中や雨から苗に菌が付着するので、雨が降った後でも水をかけて洗い流すなどしていました。
植物には本来水道水は良くないらしいですが、そこまでは気にせずに水道水をかけていました。
あまりにも水をやりすぎな状態の時は、雨がかからない場所に移動しました。 空気が停滞している場所は特に菌が増殖しやすいので、苗の位置を変えたり空気の流れをできるだけよくするように気を付けました。 - 土壌の無害の菌を増やす。
野菜の栽培で教えてもらったのが、土壌中に病気の原因となる菌が増える前に、苗に無害な菌を増やしておく対策です。
6月の栽培ポイント
- 強い日射しに当てないように遮光する。
- 苗の状態を見て水やりをする。
- 暑い時間帯に水やりをしない。(蒸らさない)
- 遮光しすぎによる徒長に注意
- 病気、虫害に注意
強い日射しに当てないように遮光する。
エケベリアの原生地は、日本より暑い地域と思っている方が多いようです。アメリカのエケベリア栽培者のブログを見ると、砂漠の暑い場所で育っていると勘違いしている人が多いとの記載をよく見ます。現地に行った事がないので正確なことは判りませんが、海外の方の記事では、水分は以外とある、太陽に直接当たるのは数時間で日陰になっていることが多い、風通しが良いと紹介されています。
夏に仕事でラスベガスに行った時は、気温は高かったですが、湿度が低いので日本より過ごしやすかったです。
日本の高温多湿な夏は、アメリカの夏より人間もつらいと感じます。40度以上になったら、人間は熱中症にもなりやすく、気楽に植物育てている場合ではないと感じてしまいます。埼玉なので、夏は暑くて風通しが悪い日が多いです。
アメリカの方でも、エケベリアは90 F(32℃)以下が適正温度と紹介している方が多いです。90Fを超える暑さの場合は、苗の乾燥を防ぐために水やりを増やしていると紹介している方もいました。
かなり脱線しましたが、私は、気温が高くなってきたら、暑さに慣らせるために遮光をするようにしています。
直射日光によるストレスと高温多湿の環境のストレスのどちらも急にかかると弱ってくる苗がでます。大きい苗ほど、直射日光や高温によるストレスに耐えやすいと感じますが、大きい苗でも気を抜いていると弱ってしまったタイミングでストレスがかかると一気に弱ってしまうので、苗の状態次第です。
数日遮光をして、暑さに慣れてきたら、直射日光に慣らす苗と、引き続き遮光をする苗に分けます。家にずっといれば、遮光シートを外す時間帯を徐々に増やしていけばいいのですが、そこまで管理をできないので、日光に慣らしたい苗は、遮光シートを外しておきます。
そんな管理なので、遮光シートをかけ忘れて大切な苗を日焼けさせたり、特に日射が強い日には、大きい苗でも葉が焼けてしまったりします。
④に記載しますが、一番気を付けるべきは、遮光をしすぎて徒長させてしまわないようにすることです。徒長すると、根が弱っていくので、暑い環境に苗が耐えられない状態になりやすいです。これからの夏の暑さに耐えられるように、苗の状態を徒長せず、葉焼けしすぎない程度に遮光をします。
ホームセンターでは、遮光率が異なるシートを販売しています。
夏の時期に、黒いトレーを使って葉挿しや小苗を育てるのは注意が必要です。遮光している環境でも、暑い場所で管理していると、温度が上がり、蒸されてしまって、葉や小苗は茶色に変色したりすぐに枯れてしまいます。黒いトレーは夏の間は直射日光に当たらない場所で管理することをお勧めします。
ベランダで、小苗を育っていた時に、4つのトレーを遮光して置いていましたが、全て乾燥させて駄目にしました。それ以来夏にベランダで育ているのはやめました。
私の家のベランダは、夏の時期はずっと太陽光が当たり、熱がこもってしまう過酷な環境です。なので、急に大きい苗でも葉の色が黄色くなってきて弱っていく苗がぽつぽつでました。
苗の状態を見て水やりをする。
日本の栽培者は、夏の時期は水を切らすと紹介している方が多いと感じます。私はそれが正解とは思っていません。
高温になり、苗が成長を止めて休眠状態に入った場合は、根が水を吸わなくなるので、水やりは厳禁(根腐れする)は、正しいと思います。
リトープスは、この時期は断水して管理します。
エケべリアは、私の環境では、去年休眠状態に入った苗は少ないと感じました。暑い時期でも栄養と水分を欲しがり、水をあげすぎないでいると、葉がくしゃくしゃに萎れたり、下葉がどんどん枯れていきました。
夏に水をあげないを信じすぎてしまうと、乾燥させすぎて、根もからからに干からびさせてしまうケースが発生するかと思います。
経験上では、少し水やりをした方が、下葉の枯れ具合は収まりました。ただし春のように水やりをすると、蒸れたり、土に水分が残りすぎてしまってトラブルが増えてしまいます。
慣れないと心配しすぎてしまいますが、ある程度成長した苗は、水をしばらくあげなくても耐えられます。また水をあげずにいて、葉がしわしわになってしまった場合でも、水をあげれば元通りになるように、多肉植物は強いです。よって、そこまでシビアに気にすることはないと思います。
経験しないと不安ですが、意外と強いです。
私が一番気を付けているのは、根を乾燥しすぎないようにすることです。
エケベリアの栽培では、乾燥した環境に耐えられる根を育てることが一番重要であると思っています。
よって、春は、根に水が十分いきわたるようにたっぷりと水をあげて根に水を吸収させます。次に土を完全に乾かして、根が水を求めて成長するのを促進させるのと、乾燥に耐えられる根を育てます。そのサイクルを繰り返すことで、乾燥に耐え、水を安定して吸える根を成長させます。
その方法は、野菜などでも同じです。野菜等でも水のやりすぎは苗を枯らしてしまいます。元気な根を育てることが重要とされています。
安定した根の状態になることで、夏の暑さにも耐えられる苗になると思っています。
夏に根を乾燥させすぎてしまうと、これまで伸ばした根が全て乾燥して死んでしまうことがあります。そうなると、秋にまた水をあげ始めた時に根が水を吸えなくて根腐れしたり、根を生やすために苗のエネルギーを使って弱ってしまったりするトラブルにもつながります。
苗の状態を見て、水をあげた方がよさそうな苗には、涼しい日の夜に水をあげます。水をいっぱいあげてしまうと、残った水分で苗や根を蒸らしてしまうので、鉢の下から水を吸わせるなどして、根に水を適量あげるようにするのが一番望ましいです。
私はそこまでできないので、夏の時期も鉢の上から、朝までには乾燥する量の水やりをしています。
休眠していない苗には水が必要です。きちんと水分と栄養が補給されていることで、暑さやストレスに耐えられます。特に小さい苗は暑さや直射日光のストレスに耐えられなくなり、水も断水していると、すぐにカラカラに乾いてしまいます。
苗の大きさや品種によって、根の状態には差がでます。全ての苗を同じような管理にはできません。
小苗や元気ではない苗ほど、比較的涼しい場所で強い日射しに当てないようにした方がいいと感じます。太陽に当てるとしたら、早朝の1~2時間だけ太陽に当たり、後は日陰になるところがいいようです。
品種によって、徒長のしやすさも違いがでるので、徒長していないかはよくチェックします。私は徒長を抑えるために、水やりを控える時もあります。
暑い時間帯に水やりをしない。(蒸らさない)
分かっていても、試したくなるので、コンクリートの上で育てているラウイに、暑い時間帯に水やりをしたら、次の日に葉が落ち始めて、3日後には全てばらばらになりました。
暑い時間帯に土に水分が残っていると、苗や根を蒸した状態になり、苗を弱らせてしまいます。
アメリカの栽培者の紹介では、夏の時期は、地植えを勧めています。地植えの方が、土が乾燥しすぎず、温度も高くなりにくいからです。鉢植えは、地植えに比べて土を仕切ってしまっているので、必然的に土が乾燥しやすく、温度も高くなりやすいです。
それ故、鉢に植えている苗はきちんと遮光して、鉢の温度が高くならないように管理することをお勧めします。
鉢は、素焼きのものとプラスチック鉢がありますが、プラスチック鉢の方が高温になります。
花は、ペラペラのプラスチックの鉢で販売されていることが多いですが、このペラペラのプラスチック鉢にセダムを入れて、びっちり育っていましたが、先週の暑い日射して、一気に焼けました。地植えのセダムはたえましたが、鉢のセダムは全滅しました。
去年は、夏の時期は葉挿しを素焼きの鉢で管理しました。水をあげても素焼きは乾燥しやすく良かったです。
今年は苗が増えすぎて管理ができていないので、素焼き鉢は出番はなくしまっています。
水をあげすぎてしまって心配な時は、扇風機などを当てます。風通しをよくすると、土が乾燥しやすくなります。扇風機を使っている場合は土が乾燥しやすくなるので、苗が水を欲しがっている時は、水やりの頻度が増やす必要があります。
今後台風が来た時は注意が必要です。台風が過ぎ去るとすぐに暑くなるので、雨ざらしにしていた苗は、土に水分が残っていると蒸れて苗を駄目にしてしまいます。
遮光しすぎによる徒長に注意
育てている環境が皆違うので、人によっては、太陽が当たりすぎるか、全く当たらないかなど極端な環境しかない方もいるかと思います。
置き場の問題で、同じように遮光していると、徒長しやすい品種がでてきます。徒長した苗をほっとくと、徒長がどんどん進みます。
徒長した苗は、弱りやすいと感じます。徒長しても強い苗は中にはありますが、徒長しないように管理した方が苗の強さが違います。
よって、遮光しすぎて徒長しないように、今の時期は管理します。
私は、どうしても場所を移動できず徒長苗をそのままにしなければならないときは、成長点をカットします。そうすると一度成長が止まり、脇芽がでてきます。苗によって差がありますが、カットした後に時間を稼げるので、脇芽は徒長しないように管理をします。
病気、虫害に注意
暑い時期は、ハダニ、スリップス、ネジラミが活発に活動します。 私の環境では、昨年度より害虫の活動が活発です。
虫による食害の被害と、虫から病気に感染や、虫に吸われた場所から菌が入るなどトラブルが発生します。
スリップスは、細胞を溶かして吸うので、茎を溶かされる被害がでます。それによって苗が全滅することは少ないですが、見た目が悪くなります。
ネジラミの被害は、土の中で分かりづらいと思います。被害にあって苗が弱ると、急に葉が落ちたり、根腐れにつながるので、できるだけトラブルになる原因は低減するような対策を取った方が管理が楽です。
対策としては、農作物の管理を参考にします。農薬を使う方法と、無農薬の方がされている土壌や害のない菌を増やす管理をするといいと思っています。
土壌学は忘れてしまったことが多いので、また勉強しなおそうかなと思っています。
農作物も、夏になると高温障害が発生します。高温障害は品種によって多種多様です。萎えたり、変色したり、生育が悪くなったり、花粉が減ったり、変形したり、葉焼けをしたり、成長が進みすぎてしまったりと色々です。
農作物も高温障害の対策がされています。適切な株間・条間を取り、適度な潅水や換気をして、苗に対する負荷を減らす対策が取られます。トレハロースを与えることで環境ストレスから細胞を守る方法など、調べてみると農作物の品種によっていろいろな対策が取られています。
エケベリアにどの方法が合うのかはわかりませんが、徐々に農作物の対策がエケベリアに有効かは調べていきたいと思っています。
エケベリアに関する論文は、海外のものは結構ネットで確認ができます。そのような情報も時間が取れたら参考にしていきたいなとは思っています。今はそこまで管理できていないので、できるだけ被害が少ない選択肢を選んで管理します。
とはいっても、結局は日差しが当たる場所に置いてしまったり、水やりを忘れて枯らしてしまったりと、これからの暑い時期は、私の人的被害が多いと思っています。