7月~11月の間体調を崩して何も管理ができていなかったので、とりあえず弱りやすい苗は温室に移動しました。
今年の冬は、苗を温室内と屋外の棚で管理します。根を出したい苗などは、根がでるまでの間、室内で管理しています。
この時期は、①屋外、②温室内、③室内で管理していますが、それぞれ管理ポイントが異なるため分けて記載します。
私は、苗を駄目にするリスクを下げたいことと、週末位しか苗の管理ができないため、加温した温室内での管理が自分には一番合っていると感じます。屋外管理は楽なのですが、天候によって急なトラブルはつきものなので、環境があまり変わらない温室内管理の方が安心できます。
※ 現在は補強したポリカーボネート製の温室を利用しています。以前にホームセンターで販売されているビニール温室を3タイプ(中・大・ビック)を使いましたが、どれも朝方は外気温より温室内が冷える。昼は蒸す。風に飛ばされやすい。ビックはロープでも固定していたが、ビニールの固定部が裂けてくる。など、管理が大変でした。アンカーを追加していましたが、強風でアンカーが抜けてしまうことがあったので、ビニール温室の時はヒーターを購入しましたが、怖くて使えませんでした。
①屋外の苗の管理ポイント
私の環境は、冬の間はあまり太陽が当たりません。よって葉焼けは特に気にしないで大丈夫なので楽ですが、錦品種や弱っている苗に長く日射しを当ててしまうと葉焼けは起こします。
- 屋外管理は元気な苗(根が安定している)だけにしています。
・ 天候や苗の状態は変わるため、先週は大丈夫だったのに、急に駄目になるケースはあります。天気が良く風が強い日の朝方は特に冷えやすく、天気予報の温度より、場所によっては低くなることもあります。またビニールをかけた環境では、外気温よりビニール内の温度が下がる現象が起きやすいので注意が必要です。 - 例年の感覚で寒さに弱そうな品種は屋外に置きません。(品種だけでなく、苗の個体差もあるように感じます。私は白鳳などを冬に駄目にしてしまいやすいです。)
- 苗に水分が多いと凍りやすくなるので、屋外管理の苗の水やりは10月頃から減らします。(今年は管理できなかったので特に何もしていません。一昨年は雨ざらしで水を多く含んだ状態で寒くなったので凍ってしまう苗が多かったです。)
- 0℃以下にならないように気をつけます。
・ 私の環境では、地表面はー2℃程度まで下がるので、棚を作って地面から離した場所に置いています。
・ 苗の上に不織布をかけます。(100円ショップで購入したものを使っています。) - 変色したり、凍って葉の組織が壊れている苗がないか注意します。
雨の翌日寒くなった時や、風が強かった日など、それまでは凍っていなかった苗でも、凍ってしまうことがあるので、苗をよく注意して観察します。
弱ってきている苗は、温室内や室内に移動するなどして様子を見ます。 - その他:自己流ですが、花芽を付け始めた苗は他の苗より多少水やりの回数を増やしています。
②温室内の苗の管理ポイント
温室内は、ヒーターで加温していますが、朝方に0℃程度をキープできる程度の温度設定にしています。日によって差があるので時々-2℃程度まで下がってしまう日もあります。
- 温度を高く設定すると虫害が発生しやすいです。
・ 温室内を一日中暖かくしているとスリップスが発生しやすいです。朝方0℃近くになる温度設定にしておくと虫は発生しづらいです。 - 乾燥しやすいため、水やりの頻度を増やします。
・ 昼は高温多湿になりやすいです。温室内に棚を作ったため、棚の上にある鉢の方が早く乾燥しやすく、水やりを全くしないとカリカリに乾燥してしまうため、水やりを適宜行います。
水やりをすると、温室内が蒸れやすくなるため、朝方に温室内で温めていた水をあげて、昼の間にドアや天窓をあけて、余分な水分は外にでるように管理しています。
・ 水やりをした後に、温室を閉めっきりにしたままだと、翌日の昼には温室内の壁や天井が水滴で覆われるほど蒸した環境になってしまいます。 - 昼はできるだけドアや天窓を開けて、通気をします。
・ 昼に温室に直射日光が当たると、温室内の温度が高温になったり、湿度が高いと壁や天井がビショビショに濡れます。 - 電源確保、ヒーター故障などの対策を取ります。
・ 私は電源を2系統確保し、ヒーターは2台を設置する対策を取っています。 - 徒長に気を付ける。
・水やりをしている苗に日射量が足りないと徒長しやすくなります。徒長しやすい苗は、温室内の乾きづらい場所において、水やりの回数を減らして管理しています。 - 置き場を工夫する。
・私は、ラウイや光を欲しがる苗(水やりを減らしても徒長しやすい苗)などは、温室の一番上の太陽が当たりやすい場所に置くようにしています。
ただし、乾きやすくなるのでバランスが大切です。
どうしても光を当てたい苗はLEDライトで照らしています。
・葉挿しは温室内では元気育ちますが、芽がでてきてから日射量が足りないと徒長し始めるため、葉挿しは、できるだけ太陽が当たりやすい場所に置いています。
③室内で管理する苗
現在、室内で管理する苗は10苗程度のスペースしかないので、臨時の管理スペースとして使っています。室内管理スペースで管理している苗は以下の苗です。
- 発根させたい苗
・ 温室内は、朝方低温になる環境のためか、温室内で発根を待つと時間がかかります。すぐに根を出したい苗や錦品種など根張りが弱い苗は根が安定するまでは室内の管理スペースで様子を見ます。
根がある程度でて安定してきたら、温室内に移動します。 - 葉挿し:発根まで
・ 大切に管理している葉挿しは、発根まで室内で待ちます。根が出てきたら水やりをして3日程度したら温室内の葉挿しトレーに移動しています。 - 屋外で凍ってしまった苗や弱った苗
・ 数が多いため、凍ってしまった苗もそのままにしておくことが多いですが、早く復活させたい苗や屋外のままでは駄目になりそうな苗は室内に移動して安定するまで様子を見ています。
屋内管理の注意点
- 徒長しやすいです。
苗の個体差がありますが、室内管理できちんと光量を確保できるライトを利用しないと、苗が徒長しやすくなります。
・ ネットで販売されているLEDライトでは、光量が弱いものや、葉にかなりライトを近づけないと使えないものがあります。ただし、強いライトもあるので、強いライトを使う場合は葉焼けを起こしてしまう可能性があります。 - 虫害が発生する可能性があります。
屋外から移動した苗などは、スリップスが暖かくなって出てくることがあります。 - 室内の温湿度環境に合わせた水やりが必要です。
うちは比較的乾燥しやすいため、発根したばかりの根が乾燥して駄目にならないようにこまめに水を差します。 - カビや菌に注意
場所や温湿度条件によって、カビや菌が付着しやすくなります。水分と温度条件でカビや菌は発生しやすいので発生しやすい環境にならないように注意が必要です。
送風を行うなどの対策もあります。