エケベリアの育て方

農薬(殺虫剤)について

日本の高温多湿な環境での農作物を育てるためには農薬は必要とされています。農薬と同じような成分の薬剤が生活の中で使われています。
私は農薬の利用は絶対に良くないとまでは思っていませんが、適切な取り扱いをしないとトラブルが発生することもあるので、注意すべき点やリスクは知っていた方がいいかと思います。心配しすぎも良くないですが。
エケベリアの栽培でも農薬を利用される方は多いです。今はネットで気軽に知れるので、真似して使ってみようと思う方も増えているかと思います。
農薬の害の部分を記載すると、それが気になってしまう方もいるかもしれませんが、知っておくことは有用かなと思うので、メモします。

日本の環境で植物を育てるためには農薬は必要なケースはあると思います。ただし、農薬を使うことで、土の中の微生物のバランスを崩してしまい、逆に病気の発生しやすい環境にしてしまうケースも発生します。
農薬は使い方をきちんと守らないと、トラブルが発生します。人への害や、苗への害もあるので、気楽に使うと後悔することがあるかもしれません。

農薬は害虫や菌に効き目があるので、無害なものはなく、全て害はあります。よく多肉で使われていると聞く農薬は毒劇物はないかと思いますが、毒劇物以外は、毒性:普通物と区別されているだけなので、普通という言葉で誤解はしない方がいいと思います。使う前に、どんな危険性があるか、取り扱いの注意事項を理解してから使うことをお勧めします。
まんべんなく効果がでるような殺虫剤の方が、人への影響も色々あります。
子供や妊婦、授乳中の方に影響がでる可能性がある製品もあります。喘息やアレルギー持ちの方も利用は注意が必要です。
ネットで販売している方で、発送時に、殺虫剤を苗にふりかけて送る方もいるので、受け取る時は注意した方がいいと思います。

多肉植物でよく使われる殺虫剤

多肉植物の栽培をしている方は、オルトラン(赤いパッケージ)、オルトランDX(写真の青いパッケージ)、ベニカXファインスプレーを使われている方が多いと思います。

オルトランの成分と毒性

 オルトラン(赤のパッケージ)の成分はアセフェート、オルトランDXの成分はアセフェート・クロチアニジンと記載されています。

アセフェートの毒性


 厚生労働省にて安全データシートが公開されています。飲み込むと有害となっているので小さい子供がいる家庭などでは取り扱いを気を付けた方がいいかと思います。

アセフェートのデータシート

職場のあんぜんサイト:化学物質:アセフェート (mhlw.go.jp)

クロチアニジンの毒性

複数社にてデータシートが公開されていました。ほうれん草など野菜の栽培で使われているようです。ミツバチ大量死との関係を疑われているような記事がありました。

クロチアニジンのデータシート

W01W0103-2258JGHEJP.pdf (fujifilm.com)

ベニカXファインスプレーの成分と毒性

ベニカXファインスプレーの成分は、クロチアニジン・フェンプロパトリン・メパニピリムと記載されています。
クロチアニジンは、オルトランDXにも入っていた成分です。

フェンプロパトリンの毒性

フェンプロパトリンのデータシート

職場のあんぜんサイト:化学物質:フェンプロパトリン (mhlw.go.jp)

メパニピリムの毒性

水生生物に強い毒性があるようです。魚類を育てている方は、取り扱いに注意が必要かと思います。

メパニピリウムのデータシート

W01W0113-1265JGHEJP.pdf (fujifilm.com)

使われている化学物質は、殺虫作用として多種多様な作用機構となっていることがデータシートを見てわかります。農作物などにも使われているため、残留量などが定められています。細かい内容まで気になってしまうのはストレスが溜まってしまいますが、現代社会では、色々な物質が生活の中で使われたり、食品に含まれています。
多肉植物の栽培でよく使われている農薬も、取り扱いに注意し、誤飲や吸飲しないように注意が必要です。スプレータイプは、噴霧した液体を吸ってしまう可能性もあるので注意が必要です。特に小さい子供は触った手を口につけたりしてしまうので、農薬を利用する際は注意して管理した方がいいと思います。
ホームセンターで販売しているので、気軽に使ってしまいますが、以外と農薬によるトラブルは起きています。私もそこまでしていませんが、農薬を利用する時は保護具を着用するように記載されていることが多いです。多肉植物でよく使われている農薬は毒性がそこまで強くないですが、農業で使われている農薬では保護具を使わなかったことで、事故がおきたりしています。利用する際には正しい知識を付けて、適切な管理と利用をお勧めします。

科学物質過敏症の方もいます。家族や近隣者に該当者がいる場合は、利用に注意が必要になります。

ベンレートの毒性

カビ対策、種や苗の消毒、幅広い病気の対策として、ベンレート水和剤も気軽に使われているかと感じます。私は使っていませんが、こちらの物質は、発がん性、アレルギー性皮膚反応、環境ホルモン、水生生物に非常に強い毒性とオルトランやベニカよりも毒性が強いです。

お腹の中にいる子供が曝露した場合に先天性異常が見られるなどの報告もあるそうなので、妊婦の方は気軽に使わない方がいいかと思います。EUやアメリカ、ヨーロッパでは利用を禁止されています。日本は海外で禁止されている農薬が使えるものが多いようです。また許可されていない農薬を使って逮捕される農家さんもいるようです。
水生生物に非常に強い毒性があるため、残ってしまった薬剤を川などに流すのは厳禁です。

ベンレート水和剤のデータシート

untitled (kumiai-chem.co.jp)

多肉植物の販売者で、出荷時に良心で農薬を苗にふりかけている人がいました。それを知らない方が受け取って触ってしまうことを考えていないのか気になりました。
ハウスで多肉植物を育てているとハウス内は高温多湿になりやすい構造のため、病害虫が発生しやすく、農薬を使っている生産者の方は使用頻度も増すそうです。自分も温室を設置してみたらそう感じました。
簡易温室なども含めて密閉された環境での農薬利用は、内部に農薬が浮遊して残留しやすく、農薬の被ばくの度合いが大きくなるため、露地栽培よりハウス栽培の農家の方が農薬中毒の発生件数が多い地域もあったそうです。
家庭でも野菜を栽培する方が増えたからか、家庭での農薬被害は増加傾向とのことです。多肉植物でもそのようなことがないといいなと思っています。



農作物の栽培でもできるだけ農薬を使わないように栽培する方法を考えている方もいます。土壌づくり、環境づくり、菌の繁殖など色々な対策がされているようです。
昔、そのような話を聞いた記憶があるのですが、忘れてしまったので、そのうち本でも購入して確認しようかなと思っています。

ダニコールの毒性

ダニコールは、TPN(テトラクロロイソフタロニトリル)が主な成分です。

発がん性や生殖毒性があります。授乳を介した影響も記載されているので、授乳中の方は利用を避けた方がいいです。


TPNのデータシート
職場のあんぜんサイト:化学物質:テトラクロロイソフタロニトリル (mhlw.go.jp)

トップジンの毒性

トップジンMペーストは、切り口に塗って使うものです。

遺伝性疾患のおそれの疑いや、臓器の障害の恐れなどの記載があります。


トップジンMペーストのデータシート
4754201.PDF (effestep.jp)

ホーマイの毒性

ホーマイ水和物は、チウラムとチオファネートメチルを含んでいます。

生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い、臓器の障害等の記載があります。


ホーマイ水和物のデータシート
6716901.PDF (effestep.jp)

気にしすぎも良くないですが、取り扱いや保護具の着用を適切にしていないと、健康被害を生じる可能性があります。農家の方でも農薬による事故はよく起きています。
多肉植物を栽培する方が増えて、気軽に農薬を教えてもらい使っている方もいるかと思います。後で何かあってからでは遅いので、農薬はきちんと説明資料やデータシートを読んで利用することをお勧めします。

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