
暖かくなってきたので、多肉植物をまた外に出しました。管理ができていないので、ふとした瞬間にここにあったと気づきます。
今回も薬錦で色が変わっていた苗がでてきたので、その後の様子を紹介します。
薬錦とは

薬の影響で、葉が白く変色している苗です。
斑入りや季節斑として販売されている方が毎年出ます。
新しく多肉植物を輸入して販売される方の登竜門なのかなと思っています。
多くは平均して1年後に通常の苗に戻ります。大きい苗になると薬品が残っているのか2年は持ちました。
大体が、苗の中心から円状に白くなるのでわかりやすいです。下葉は緑で生長点は真っ白という苗は可能性が高いです。
中心がジャム状になる苗もありますが、ここまで白くなる苗は少ないと感じます。
交配品種もバリエーションが増えているので、大苗になると中心が白っぽくなる苗は結構ありますが、実物を見ていると結構感じが違うと思います。
ストレスで発生した斑や、ボケ斑の苗も実際にはあります。季節で色が変わる苗もあります。
私は今でも興味本位で薬が入っていても購入しちゃうことがあります。
購入時と現在
薬をつかって葉の色が白くなっている苗は、円周上に色が変わります。しばらくは新しい芽も色がついていませんが、次第に元の色の葉がでてきて、1年経つと新しい葉が多くなり、元の色に戻ります。
薬が入っている苗は、通常の苗より繊細だなと感じます。根がない時は、根がでるまで時間がかかります。直射日光に当てない、ストレスを与えない管理をすれば元気に育ちます。
根が出ている苗は夏の直射日光に当てないようにすることや水を若干控えめにするだけで元気に育ちます。特に弱いのは苗の中心から8割程度が真っ白の時です。
中心から緑の葉がでてきたときには、通常の苗と同じ管理をしていました。
一時的な変化を楽しみたい方、成長をしばらく止めたい人にはいいかと思いますが、薬で色を変えているだけで、値段をあげて販売するのはどうかと思ってしまいます。






しばらくして色が元に戻った苗たち










通常の苗で色が変わっているもの
温度で色が変わる苗
ストレスを与えると苗の中心の色が変わる苗もあります。
多肉植物も紅葉をするので、紅葉時は全く違った印象になる苗もあり、見ていて楽しいです。原生地の違いによって、冬に紅葉する品種、夏に紅葉する品種とどちらもあり、色の変化を楽しめます。

こちらの苗は、寒さにあてると中心が透き通ってきます。
中心がジャムタイプの苗も気温で色が変化して楽しいです。
暖かい日は、中心が外葉と同じ色合いに落ち着きます。
まだ3月は朝方寒くなる日があるので、朝みて色がかわっていると寒かったんだなとわかりやすいです。
成長すると外側の葉と内側の葉の色合いが変わる苗も結構あるので、
大きく育ててみるとわかることもあるので、成長と共に変化する姿もみるのも楽しみです。
と言っても、増やそうとしてカットして小さくしてしまいますが。
葉緑素が少なくなった苗

ストレスを与えすぎると葉の色が変色してくることがあります。
強い日射しにあてて、それから色がもどらないというか、成長が止まっています。
突然脇芽から出た苗が、真っ白やまだらになることもあり、興味深いですが、成長と共に元の色に戻りました。
西日を当てすぎると葉が黄色または白っぽく変色してきます。
こちらは葉緑素が破壊されて変色しているだけです。

脇芽から全斑の芽が出てくることが多いです。
こちらは偶然かなんかしらのストレスで起きたのかなと思います。
このタイプは、成長につれて葉の色が元の色に戻ってきます。
ラウイ交配でよく見る色

粉がつく苗は、粉が取れるとかなり印象がかわります。
ラウイ交配では、成長した場所が透き通ったように見える苗がでます。
最近増えてきた透き通った苗

最近は透明感のある品種も増えてて、綺麗だなって思います。
育ててどんな変化するのか見てみたくて同じような苗も購入してしまいますが、時々このようなタイプの流通でも薬を入れてストレスで綺麗に見せている苗(中国経路)に出会います。そんなに多くないし、薬でベースの色が変わっているわけではないので特には気にしてませんが、根がない状態で届くとしばらく管理に気を使います。(1~2か月経って根が落ち着けば問題ないです。)
ストレスでこの色になると示しているとも言えるので、同じストレスを与えられれば同じ色になるんだろうと思いますが、これまでの経験では、同じ色にするのは難しい苗も多いです。
モンローなどの輸入時に綺麗なピンクであった苗をまたピンクにもっていくには肥料、温度、水など、一つの条件ではすぐに色が変わらず、複合条件で急に綺麗になることがあり、いちいち温度管理もできないので、条件があったタイミングで綺麗になります。
一度配送の状態(根をきったらどうなるか)なども試したことがありますが、無意味なのでやめました。
苗によっては、葉挿しをしたときに葉が綺麗な色に変わるものもあります。
これもストレスなのか、元の苗もこのような色になったらきれいだなと思っています。
栽培を始めた時は葉挿しも結構購入していました。葉の色を見てその色に紅葉時になるのかなと期待して、期待外れでがっかりしたこともありました。大きくなった時に、小苗の頃と印象ががらっと変わる苗もあり、個体差も大きいのでこれだと明言できません。
そんな違いを楽しめればいいと思っています。
カビ/菌に侵されて変色してきた苗

カビに侵されてストレス?で色が急にピンクになってきた苗です。
元はブルーに近い色でした。
暖かくなってきたので、カビや菌が繁殖しやすくなってきます。
風通しが悪い場所で発生しやすいです。
元気な苗は抵抗力があるように感じています。
経過観察中でこのまま経過を見ている苗です。カビの胞子がついてから、徐々に蜘蛛の巣のように白い粉が広がっていって、今は中心の葉すべてに広がったようです。
徐々に色がピンクに変わってきて、今は腐ってきたか、黒っぽい場所も出てきました。
覆輪のチワワエンシス錦もこれに侵されて、葉を2周分失いました。
栽培当初は、苗が急に透き通ったように綺麗になることがあり、多肉植物って綺麗だなと思っていましたが、1週間後には腐って真っ黒になっていました。
菌に侵されたり、根腐れしている時に急に綺麗な色になることがあります。
こちらの苗は、まだ温室から出していなかった苗です。温室は冬はいいのですが、暖かくなると、温湿度が高くなり、カビが生えやすい環境になるので、外管理が楽です。
薬を使っている人や水に肥料成分などを入れている人は、その成分が葉につくと白くなります。カビの場合は、徐々に白い場所が広がってきます。よく見ると蜘蛛の巣のように広がってみえるので違いが判ります。
あせって薬品を高濃度でかけてしまうと、薬害で葉が枯れてきます。
早期発見が大切です。
斑入り(全斑)の苗



斑入り苗は、枝から全斑(緑の葉緑素がなく真っ白)な芽がでたり、葉挿しから全斑の芽がでることが多いです。
私が育てていた苗では、成長と共に次第に生長点のすべてが全斑になってしまう苗が結構あります。斑が不安定な苗は、全斑になったり、斑なしになったりします。
根が安定していれば全斑の苗でも育てることができますが、成長スピードがかなり遅いです。
太陽光に慣れれば結構耐えられますが、キャパオーバーとなったときに、全斑の葉が葉焼けすると一気に焦げ付いて駄目になるので、当てるなら朝日だけにするや直射日光には当てないあかるいところでの管理が、トラブルも少なくなります。
不明瞭になった斑入り品種の苗

綺麗な斑入りの苗から、枝芽はぼけ斑がでる苗もあります。
このようになったときはほっといてます。株分けしてもきれいではないし、弱いです。
それで日陰において忘れていると徒長してひょろひょろになっていることが多いです。
斑(ふ)入りの苗
錦品種も名前が様々であり、斑も安定していないのが原因なのかわかりませんが、元苗はエッジ(葉の外周)に色が全くなかったのに、枝芽は、葉の外周に赤のエッジが入るや
爪に色がつくなど、急に全体が赤くなる/白くなる/光沢が入るなど様々な変化をします。
同じ流通経路で同じようなタイプが別名でそれぞれ販売されており、どちらも購入してみて育てていると、あれ?元は同じタイプだったのかな?と思ってしまうこともあります。正解はわかりません。
同じ苗から、真っ白な全斑、覆輪、光沢がある筋斑、虎斑などの複数のタイプが出てくることもあり、アガボイデスなど同じ形状の苗が斑入りになると、どれも同じような姿になってしまうので、札落ちにならないように特に注意しています。
→ 斑入りの苗(作成途中)
(その他)一時期流通した弱いロメオ
一時期流通したロメオは薬錦と同じかそれ以上に弱かったです。
ケーレスのロメオ実生などを育てていたので、そんな難しいと思っていませんでしたが、その時購入したロメオはかなり繊細でした。ただ流通で弱らせてしまったとは異なる感覚でした。苗自体が貧弱で、薬錦の苗に近い感覚がありました。弱い血統とかもあるのでしょうか??最近はロメオを購入しても全然元気だなと同じ品種とは思えない違いがあります。
自分で種から育って、どんどん勢いよく成長していく苗の管理が一番楽ですし、成長の過程が楽しみです。