今年は、屋内に置けるスペースが無くなったので温室を設置しましたが、温室にしまえない多肉を外に出していたので、凍らせてしまいました。
多肉植物の栽培を始めてから、毎年凍らせています。
凍った多肉植物(主にエケベリアです)
写真では判りづらいですが、多肉が凍ると、カチカチのアイスのようになるものや葉の中の水が凍ってシャーベット状になります。
葉を触るとカチカチで、氷のようにキンキンに冷えています。


凍った多肉の解凍
凍ってしまった苗は、解凍します。暖かい場所に移動できればいいのですが、私は室内などに移動できないので、日が当たっている暖かい場所に苗を移動して、解凍を待ちます。
急に温度を変えると苗にダメージが増えると思うので、徐々に解凍するようにしています。
昼に温度があがったので、13時頃には朝凍っていた多肉は全て解凍されていました。
凍った葉の組織が壊れて透き通った状態になります。そのまま復活してくる葉もありますが、ジュレてだめになってしまう苗もあります。


成長点の葉は、元の状態のままの苗は多いです。なので、大丈夫だったと安心して、そのまま置いておくと、茎に大ダメージを受けていた苗は、茎から腐敗が進行し、そのうち、成長点まで蝕んで苗全体が駄目になるケースもあるので、注意深く観察が必要です。
シルバースターなどは、凍結をせずに元気でしたが、これまで、大丈夫かなと置いておいた苗が凍ってしまったりして、後で後悔することになるのであれば、きちんと室内にしまった方がいいと思います。
根がきちんと張っていない苗は、凍った後のダメージの影響が大きく、苗全体が駄目になってしまうことがあります。
凍らせてしまった苗は、葉や茎が変色してないか、根が凍っていないかを確認します。変色して、ジュレている場合は迷わず、色が変わっていない場所でカットします。
凍った多肉植物の数日後の状況
凍ってしまった苗は、温室内に移動しました。温室内に移動して数日後の苗の状態です。

ピンクネオンは、葉と茎が全て凍ってしまっていました。
凍らせた翌日には、苗全体が透き通り駄目になりました。
寒さに適応した植物は、冷気に当てても問題ないこともありますが、弱っている苗に冷気を当てると、このようになってしまうケースもあります。
ここまでになると、復活は見込めません。

こちらの苗は、葉に白い線の筋が残りました。
新しい葉が出て、増えれば元の姿に戻ります。
一度組織が壊れてしまった葉は、そのままのケースが多いです。

こちらの苗は、凍った時に、葉の色が変色していましたが、一つも葉が駄目にならず、復活しました。
しかし、葉に透明の筋が入って、葉の組織が壊れてしまっています。
凍ってしまっても、持ち直せた苗は、葉に被害をうけていますが、また苗が成長して新しい葉が出てくると綺麗な状態に戻ります。
弱っている苗は、苗全体が弱ってしまって、駄目になってしまうので、0℃以下の環境に慣れていない苗を置いておくのは避けた方がいいと思います。
屋外で管理している苗

センペルビウムの一部の苗は、外に出したままです。
予報で最低気温が-5℃の日もありましたが、特に影響はない状態です。
外の状況
12/30 6:00に苗を置いていた場所の温度を測ってみたら、-3.5℃でした。近くに置いてあるメダカを育てていた時の鉢の水は10センチ以上凍っていました。


マイナスの気温になると凍ってしまう多肉が増えてきます。
中には大丈夫な苗はありますが、苗の状態によって変わるので、大切にしている苗は、室内に取り込んだ方が安全だと思います。
放射冷却の影響
放射冷却によって、霜と霜柱が発生して、多肉植物に影響を及ぼします。
霜は、地表付近の空気中の水蒸気が凍る現象です。多肉植物を外で育てていると、霜が葉について影響を及ぼします。
霜柱は、地面の中の水分が地表面に上がってきて、氷になる現象です。多肉植物を地植えで育てていると、霜柱の被害をうけます。
対策
霜が多肉植物につかないようにするには、不織布をかけたり、ビニールで覆うことが有効です。
ただし、私の家の環境のような状況だと、冷気が強く、ビニール温室を設置したり、不燃布をかけただけでは、対策が不十分で、凍らせてしまいます。
発砲スチロールの箱に入れて対策をしている人の話を聞きますが、私はそこまで管理ができないので、その方法は試していません。
ビニール温室を利用するときの注意点
昨年度は、ホームセンターで販売しているビニール温室のビックサイズを利用しました。
その時に経験した注意事項は以下です。
① ビニール温室内にヒーターを設置しないと、朝方外気温より、ビニール温室内の温度が下がる現象が起き、多肉植物を凍らせてしまうリスクが高まります。
ただビニール温室を置いただけだと、風や霜を防ぐことはできますが、温度は、逆に下がってしまうことがあります。
② 風が強い場所の設置は向いていません。
冬は風が強い日があります。ビニール温室には、風対策の、アンカーと飛ばされないように固定するロープが付属されています。
こちらをきちんと利用しないと、風で、ビニール温室が飛ばされてしまう可能性があります。
また風が強い場所に置いておくと、次第に、ロープをつないでいる耳の部分のビニールが破れてきます。
また、そもそもの構造が弱いため、地面との設置を強固にしても、骨組みが壊れてしまうことがあります。
③ 太陽が当たる場所に設置した場合は、昼にビニール温室内の温度が上がって蒸れやすいです。
当初、小さいサイズのビニール温室を設置したら、昼にビニール温室内が濡れるほど蒸れてしまいました。
そこで、多少蒸れにくくなるかなと、ビックサイズを購入したのですが、ビックサイズにして少し緩和されましたが、毎日、昼は入口を開けないと蒸れて
しまい、手間が増えました。

去年の冬は、屋外にビニール温室を設置しました。
結果は、毎日、苗を凍らせていました。
関東は、放射冷却の影響が強く、関東ローム層は、霜柱が出やすいようです。よって、環境によって大きな違いがあると思います。
私の環境は、天気予報の最低気温以下になることが多く、水があったらすぐに凍ってしまうような環境です。
そのような環境で、ビニール温室を設置しただけでは、苗は凍りました。
ビニール温室でも、ヒーターを入れれば違いますが、風が強くビニール温室が飛ばされる可能性があったので、設置を諦めました。
温室用のヒーター

温室用のヒーターが販売されています。
ビニール温室を設置する際は、ヒーターも利用した方がいいと思います。
ただし、発熱物であるため、転倒しないように注意が必要です。
要注意の多肉へのマーキング
弱っている苗への水やりは注意が必要です。気にせずに水をあげると根腐れをおこします。

私は、カラーラベルを利用して、要観察の多肉にマーキングをしています。
ピンクは、未発根の多肉
オレンジは、根が出始めた水の量の調整が必要な多肉
黄色は、弱っている要注意な多肉
にラベルを差して目立つようにしています。
冬の季節は、多肉に水分が残っていると凍りやすいですが、水をあげなさすぎると葉が枯れてしまうことが多いので、私は最低でも月1回はすぐに乾く程度の少しの水をあげます。水を欲しがる苗はもう少しあげます。
基本は、土に水が浸透していき、根全体が湿る程度の量をあげるようにしています。寒さが厳しい時は、水の量を減らします。
夏や冬の間は、水をやらないとの話もあり、実践したら下葉がいっぱい枯れていきました。水をあげるようにしたら、下葉の枯れは減りました。環境や利用している土などによっても変わるので、自分の環境にあった方法が見つかるといいのかなと思っています。
室内に多肉植物を移動した時は
室内に移動しても、多肉植物に水分が多く残っていると、0℃以下になってくると凍ってしまう苗がでてきます。
私の環境では、屋内の南向きの窓の日当たりがいい場所に苗を置いても、徒長する苗は多いです。
そこで、屋内に苗を置いた時は、熱帯魚で利用していた水草用のライトが余っていたので、それを使っていました。
水草用のライトの近くに苗を置くと葉焼けを起こしたので、離して設置していました。
最近は、多肉植物用のライトが増えてきたように思います。使ったことがないので効果はわかりませんが、照射範囲が狭そうなので、植物が多いとライトの数が増えて大変そうに感じます。
徒長しやすい苗と徒長しづらい苗があるので、徒長しづらい苗であれば、ライトをつけたりせずに、昼の暖かい時に、日に当てる程度でもいいかと思います。
徒長しやすい苗を屋内で育てていると、日射量が足りないと、茎が伸びて葉の間隔が広がり、茎の太さがどんどん小さくなっていきます。一度徒長してしまった苗は、元に戻りづらいので、私は、胴切りしてリセットするようにしています。